人工の歯根を顎の骨に埋め込み、そこに人工の歯を装着することで、天然歯とほぼ同等の状態を回復する治療法のことです。 人工歯根が、顎の骨と一体化するため、入れ歯のように、咬むと痛みが出たり、不安定な状態になることはありません。 またブリッジのように隣の歯を削る必要もありません。従来の入れ歯やブリッジとは違って、違和感や異物感に悩まされることなく、しっかりと噛める、自然で美しい「歯」を手に入れることができます。 人工歯根には、チタンが使用されます。チタンは人体への生体親和性が非常に高く、心臓のペースメーカ等にも使われて いる材料です。チタンは、金属でありながら、骨と直接、結合する特性を持っています。また、金属アレルギーの報告がない材料としても知られています。取り付ける人工の歯も、他の歯との噛み合わせやバランス等を考慮した、精密で機能的な歯を作ります。 インプラントは、機能的にも見た目にも、自然で美しい口元を手に入れることができる治療法なのです。
メリット | デメリット |
---|---|
●取り外しの必要がない。違和感がない。 |
●治療期間がかかること |
「インプラント」とは、歯の抜けた所に、人工の歯根を植え、しっかりと顎(あご)の骨嚼運動(噛み砕き、飲み込む運動)ができるようになります。
インプラントには、従来の入れ歯のようにアクリル系やプラスチックの床(ピンク色の部分)、あるいは残存している歯に引っ掛ける留め金が必要ないので、口の中がスッキリとし、本来の自然な運動が甦ります。 また、製作された人工の歯もぴったりと固定されてますから、固いものでも楽に食べられるようになります。
「インプラント」とは、歯の抜けた所に、人工の歯根を植え、しっかりと顎(あご)の骨嚼運動(噛み砕き、飲み込む運動)ができるようになります。
インプラント自体を材質的に考えると半永久的なものです。 しかし、実際に考えなければならないことは、生体との調和です。したがってその寿命は、患者さんのお口の手入れによってきます。天然歯と同様に、手入れが悪ければインプラントの寿命も短くなります。 治療後の口腔衛生管理はとても大切ですので歯科衛生士、衛生士の指導にしたがってお手入れの方法を学んでください。
1. 取り外しの入れ歯が嫌いな人、または仕事その他の事情で不都合な人。
2. 歯が抜けたところを治療するために残っている歯を削られたくない人。
3. 入れ歯で、発音や音声に不便に感じている人。
4. 総入れ歯が合わず、生活にも支障をきたし、不快感を抱いている人。
5. 歯周疾患などでたくさんの歯がなくなり、入れ歯を装着すると残っている歯に悪影響を及ぼすと考えられる人。
インプラントを顎の骨に植える手術は、麻酔をして行いますから、痛みに心配はありません。
インプラントの手術は、綿密な計画の下に行われますので、手術時間の概要については事前の調査診断により決定されます。インプラントを植立する場所、本数、その他の要因により、手術時間が異なりますので詳しくは先生にご相談ください。
※但し、年齢、口腔状態などによっても、個人差がありますので、先生の説明をよく聞いてください。
インプラント顎の骨に植え込む1次手術と、インプラントが顎の骨と生着した後にインプラント用の人工歯を取り付ける支台を装着する2次手術、そして歯列の型を採る印象採得、その模型を用いて製作したインプラント用人工歯の装着、その他などで最低でも6?8回の通院が必要です。 また、1次手術から最終人工歯の装着までの期間は、年齢、口腔状態により個人差(約4ヶ月?1年半位)がありますので、先生の説明をよく聞いてください。
インプラントは体調に問題がなければ、若い人から高齢の方まで治療を受けることができます。 高齢で顎の骨の少ない方は、特別の方法でインプラントをすることもできますので、担当の先生にご相談下さい。
人間の体は年齢とともに変化してゆきますから、インプラントも定期的に調整する必要があります。定期検診で適切な処置をしておくことが、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。
天然の歯とインプラントの形態は同じではありません。そこで歯ブラシだけでなく、インプラントの形態に合わせた補助清掃器具を使用する必要があります。先生や衛生士から教えられた清掃方法で、毎日必ずお口の中を清掃してください。
たとえ周りの歯が悪くなって抜けてしまっても、その部分に新しくインプラントを植立し、上部に装着する人工の歯を追加することで、再び本来の機能や美しさを回復できます。
インプラント | ブリッジ | 入れ歯 | |
---|---|---|---|
写真 | |||
利点 | ●自分の歯と同等の感覚で噛むことができる |
●手術の必要がない |
●比較的治療が簡単で短期間ですむ |
欠点 | ●簡単な手術が必要 |
●ブリッジを固定するために、周囲の健康な歯を削る必要がある |
●異物感がある |
見た目 | |||
装着感 | |||
かみ心地 | |||
清掃性 | |||
取り外しの必要性 | なし | なし | あり |
歯を削る必要性 | なし | あり | 少し |
まず診察の予約をして、ご来院いただきます。初診の方は問診票に記入していただきます。
今の歯の状態について、不満や不便を感じていること、これから望むことを、できるだけ詳しくうかがいます。 また、現在の健康状態や病歴、アレルギーの有無などについて確認します。
レントゲンや咬合診断などの精密検査を実施します。顎の骨の状態をチェックして、場所や骨量に問題ないかなど、インプラントの埋入手術が可能かどうか検討します。 インプラント治療を行うための基礎データとなるもので、慎重に検査することが、より良い 治療結果をもたらすことにつながります。
カウンセリングと検査の結果から基本的な治療方針を決めます。患者様にはできるだけ詳しく説明します。同時に、その治療法を行った場合にかかる費用についても概算を伝えます。
治療内容や費用について納得していただけたら、同意書を作成し、サインをお願いします。 同意書の作成は、患者様の治療への理解を深めることにつながります。
麻酔をかける
手術は局所麻酔で行いますが、患者様の希望があれば静脈内鎮静法という麻酔を行う場合もあります。全身疾患のある患者様の場合は、麻酔医がモニタリング(心電図・血圧の管理)によって、より安全に手術をサポートします。
インプラント埋入
顎の骨にインプラント(歯根部)を埋め込みます。手術時間は1本の場合15分程度です。
麻酔が効いているので手術中に痛みを感じることはありません。手術後は自宅で静養するのが理想です。
埋入したインプラントが、オッセオインテグレーションによって骨とくっついているのを確認し、支台部を立てる二次手術を行います。その後、型を取って人工の歯を装着します。二次手術から人工の歯を装着するまで1カ月かかります。
歯垢や歯石を取り除き、噛み合わせなどを確認。インプラントに緩みなどが生じていないかチェックします。歯周病になると土台である骨から崩れてくるので、インプラントがもたなくなります。歯周病予防のために、ブラッシング指導も行います。
Q.インプラント治療は痛いですか?
外科処置を行うあいだは局所麻酔により痛みを防いでいます。通常、その後は普通の鎮痛剤で十分です。
Q.費用はいくらでしょうか?
治療の範囲によって費用は違いますが、おそらく、将来の不測の支出をセーブできるでしょう。 担当医にお尋ねください!
Q.新しい歯は自分の歯のような感じでしょうか?
はい。あなたの普通の歯と同じように咀嚼し、話し、笑うことができます。ほとんどの人はどんな違いも感じません。
Q.年齢は問題でしょうか?
いいえ。健康状態のほうがもっと重要です。
もし、18歳未満であれば、体が確かに成長し終えていることを調べなければなりません。
Q.デンタルインプラントはどの程度、安全でしょうか?
インプラントは世界中の臨床研究により、良好な審美性と確実な結果が記録されています。
Q.なぜチタンで作られているのですか?
それは、体にうまく受け入れられる金属だからです。そして、骨はチタンの非常に近くで成長することができます。
Q.治療には何回通院しなければなりませんか?
状態にもよりますが、6?8回の通院がかなり一般的です。
Q.治療の間、歯なしでいなければなりませんか?
いいえ。新たに骨移植を行った場合を除いて、一時的な歯を使用することができます。
Q.どのように手入れすればいいですか?
徹底的な毎日のブラッシングとフロッシングが大切です。担当医か歯科衛生士がその方法を具体的に説明します。
Q.どのくらい仕事を休まなければなりませんか?
ほとんどの人が次の日に出勤できます。
Q.喫煙は止めなければなりませんか?
止めることを強くお勧めします。喫煙は治癒過程に悪影響を及ぼします。長期予後を悪化させる可能性があります。
Q.コーヒー、紅茶、ワインによって新しい歯が変色することがありますか?
普通の歯以上に変色することはありません。